
形成外科の診療内容
- 外傷
- 皮膚、皮下組織のできもの
- 扁平母斑、太田母斑など
- 形成外科一般

湿疹、皮膚炎、かぶれ、蕁麻疹
皮膚の疾患には、かゆみを伴うものが多くあります。皮膚炎の原因になるものは皮膚に触れている日用品、化粧品などによる刺激やアレルギー、花粉やハウスダストなどの環境要因の刺激などさまざまです。
繰り返す湿疹には、日用品や化粧品の成分のアレルギーが原因である場合があり、パッチテストで明らかになることがあります。ハウスダストや花粉による環境要因を疑う場合は血液検査で特異的IgEを測定します。また白癬菌(水虫)による症状も湿疹と似ているものがあり、顕微鏡検査で確認が必要です。
蕁麻疹が長く続く場合、まれに自己免疫疾患が隠れている場合があります。なかなか改善しない場合、血液検査で確認をします。特発性(原因の明らかではない)慢性蕁麻疹で、抗ヒスタミン薬が無効な場合には、注射薬(ゾレア®️)による治療が可能です。
検査
・血液検査
・アレルギー検査
・パッチテスト(パッチテストパネル®️)
・顕微鏡検査
治療
・抗アレルギー剤内服
・各種外用薬
・抗IgE抗体製剤(ゾレア®️)
アトピー性皮膚炎
湿疹病変がよくなったり悪くなったりを繰り返しながら慢性的に(乳児では2ヶ月以上、それ以上の年齢では6ヶ月以上)続きます。先天的なバリア機能の低下により、アレルゲン、化学物質などが皮膚へ侵入しやすくなり、炎症やかゆみを生じます。
血液アレルギー検査で炎症の引き金になるアレルギー素因を把握することで、悪化するリスクのある花粉の時期には、早めに内服治療を開始する、保湿ケアを強化するなど早期の対策をすることができます。
一部の湿疹が盛り上がってなかなか治りづらかったり、かゆみのコントロールが難しい場合には紫外線療法が有効です。外用治療との併用も可能です。当院では、ターゲット型エキシマライトのLEDライトを使用した最新機種(セラビームLED308mini)を採用しており、より安全に治療が可能です。
検査
血液検査(血清IgE値、血清TARC値、末梢血好酸球数など)
・アレルギー検査(特異的IgE検査、View39など)
治療
Ⅰ. 薬物療法
・外用薬:各種保湿剤、副腎皮質ステロイド外用薬、PDE4阻害薬(モイゼルト®️)、免疫抑制外用薬(プロトピック®️)、治療用AhR調整薬(ブイタマークリーム®️)
・内服薬:抗ヒスタミン薬、漢方薬
・注射薬:生物学的製剤(デュピクセント®️)
Ⅱ. 紫外線療法:エキシマライト(セラビームUV308mini LED)
※詳しくは、「紫外線療法(エキシマライト)について」をご参照ください。
尋常性ざ瘡(ニキビ)、酒さ
ホルモンバランス、皮脂、角化異常、アクネ桿菌感染の4つの発症因子に加え、睡眠や食事、ストレス、化粧品による刺激などが複雑に関わって発症します。
現在はでき始めのニキビから治療できる塗り薬が出てきました。ニキビは中学生から高校生が悪化のピークです。ニキビ跡を残さないために、早くからの治療をお勧めします。
外用薬で効果が不十分なときや刺激感が強い場合には、美容皮膚科にてピーリングを併用しての加療もおすすめします。(詳しくは美容皮膚科ページへ)
ニキビ跡の赤み治療には、レーザーフェイシャルがお勧めです。(準備中)
ニキビと似た赤いプツプツや血管拡張による赤みが出る疾患を酒さと言います。ニキビと見た目は似ていますが、異なる治療が必要です。
治療
・内服外用(保険適応)
・アゼライン酸外用(自費)
・イベルメクチンクリーム(自費)
・トレチノインゲル0.1%外用(自費)
・サリチル酸マクロゴールピーリング(準備中)
・レーザーフェイシャル(準備中)
円形脱毛症
本来は免疫特権と言って、守られている毛包をリンパ球が攻撃することにより脱毛が生じます。
原因は不明なことが多いのですが、まれに甲状腺疾患、尋常性白斑などの自己免疫性疾患を伴うことがあります。
アトピー性皮膚炎を有する方に繰り返すこともあります。
検査
・血液検査(自己抗体、甲状腺機能検査など)
・トリコスコピ−
治療
・液体窒素療法
・ステロイド外用薬
・フロジン液
・紫外線療法
・セファランチン内服
・抗アレルギー剤内服
多汗症
洋服にシミができるほどの脇汗、触れた紙が湿ってしまう手汗など、日常に差し障るほどの大量の汗が出てしまう状態です。放置すると水虫やイボができやすくなることもあるため、お困りの時はご相談ください。全身性疾患によるものを適宜鑑別し、保険適応の外用薬がございます。
治療
・抗コリン薬外用薬(手掌と腋窩のみ)
・抗コリン薬内服
ウィルス性疣贅(尋常性疣贅)
ヒトパピローマウィルスが皮膚に感染してできます。放置すると大きくなったり数が増えてしまうため、早めの受診をお勧めします。
治療
・液体窒素による凍結療法(スプレー、綿棒)
・ビタミンD3軟膏
・ベセルナクリーム®️外用
・ヨクイニン内服
ほくろ、皮膚腫瘍
同じように見えるほくろにも、さまざまな種類があります。多くは良性のものですが、気になる症状がある場合など、似た悪性疾患との鑑別が大切です。切除、除去をご希望の場合には、形成美容皮膚科をご案内します。
検査
ダーモスコピー
帯状疱疹
水ぼうそうの原因である、水痘帯状疱疹ウィルスにより発症します。初めて感染した時には水ぼうそうとして発症しますが、その後ウィルスが神経節に潜伏し、免疫力が低下することにより再活性化し、帯状疱疹として発症します。
神経の支配領域に帯状に発症し、神経痛を伴います。早期の抗ウィルス剤内服により、その後の疼痛を感じる期間が短縮されると言われています。
皮膚症状は2、3週で軽快し、痛みも約1ヶ月で落ち着いてくることが多いのですが、痛みが長く残ってしまう方もいらっしゃいます(帯状疱疹関連痛)。その場合は神経痛に対する内服薬で治療します。
治療
・抗ウィルス剤内服
・痛み止め(カロナール®️、ロキソニン®️、トラムセット®️)
・外用薬
帯状疱疹関連痛
治療
リリカ®️、タリージェ®️、ビタミンB12内服
*帯状疱疹ワクチンについて*
帯状疱疹発症予防のためのワクチン(生ワクチン、不活化ワクチン(シングリックス®️))の接種ができます。港区にお住まいの方(50歳以上)は接種費用の一部助成があります。
胼胝(たこ)、鶏眼(ウオノメ)、陥入爪、巻き爪
圧迫や摩擦など機械的刺激が反復している部位にできます。
鶏眼は厚くなった角化の中心が芯のように皮膚の深くへ侵入しているため、神経を刺激して痛みを生じます。胼胝は痛みはありませんが、多発する場合にはウィルス性疣贅(いぼ)との鑑別が大切です。
いずれの疾患も、繰り返す場合には足の変形が原因のことがあります。
その場合には、当院の皮膚科、整形外科併診の強みを生かし、連携して治療を進めて参ります。
皮膚科での治療
硬くなっている部位の削り処置、保湿剤
陥入爪の場合にはテーピング指導など
巻き爪:ワイヤー法、3TO(VHO)治療(準備中)
リハビリテーション
足裏に胼胝や鶏眼が確認される場合、リハビリテーションを行うことで足裏に加わる機械的刺激・ストレスを軽減させ、疼痛緩和・再発予防の効果が期待できます。
リハビリテーションでは、足部アーチ形成のためのエクササイズや、重心のかけ方の練習など、適切な身体の動かし方をご案内します。
より良い歩き方を目指すために、オーダーメイドのインソール作成も行なっております。
ご希望の方は、お気軽にご相談ください。
伝染性軟属腫(水いぼ)
伝染性軟属腫ウィルスによるできものです。
皮膚のバリア機能の未熟なお子さんに好発します。いぼの内容物が皮膚に付着すると次々にうつってしまいます。
そのため、学校や園によっては症状があるとプールを禁止されることもあります。
治療は従来から行われている、ピンセットによる摘除が一番確実で
すが、多発する場合や、小さなお子さんの場合などご希望や症状に
より治療を検討いたします。
治療
・ピンセットによる摘除
麻酔テープ(1枚¥110)を貼付していただいた後に処置をすることができます。
・3a MーBFクリーム外用(自費:1本¥2,200)
外傷
擦り傷、切り傷、火傷、顔面外傷など取り扱います。縫合が必要なものからお傷の管理など、小さなお子様から幅広く対応可能です。顔面で骨折を疑う場合にはレントゲン写真だけでは骨折の状態の把握が難しいことがあるため、必要に応じてCTなど連携施設をご紹介し、撮影してきていただく場合があります。また、手術が必要な場合には全身麻酔で手術する必要があるため高次医療機関をご紹介させていただきます。
※現在、外傷の縫合は可能です。
院内改装終了後の2025年8月以降、小手術が可能となります。
早急に手術をご希望、またはご紹介が必要と判断した場合、高次医療機関へご紹介させていただきます。
皮膚、皮下組織のできもの
粉瘤や脂肪腫など体表面の浅く小さいものに関しては局所麻酔で日帰り手術が可能です。大きくて深いできものや癌などの悪性腫瘍を疑うものについては高次医療機関をご紹介させていただきます。適宜超音波検査やレントゲンなど検査の上で診断していきます。
小さなホクロやイボ(脂漏性角化症、脂腺増殖症、汗管腫、アクロコルドンなど)は自費診療でのご案内になりますので、美容皮膚科の外来にご案内いたします。
扁平母斑、太田母斑など
一部のアザは薬事承認を受けたレーザー機器を用いることで保険適用で治療することが可能です。
※レーザー機器を用いた治療はただいま準備中です。
当院のご案内
【住所】
〒108-0075
東京都港区港南2-16-7 品川Vタワー1階
【電話番号】
03-5715-3383(お問い合わせはこちら)